司法試験短答式試験過去問題一問一答

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平成26年 刑事系科目

第18問 (配点: 2)


放火等の罪に関する次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合,正しいものはどれか。

1.Aは,Bが居住する家屋に隣接する無人の倉庫に灯油をまいて放火したところ,B居住の家屋にまで延焼したが,Aは,B居住の家屋に延焼することまで予想していなかった。その倉庫がB所有のものであった場合,Aには延焼罪(刑法第111条第1項)が成立する。

2.Aは,無人の倉庫に放火しようとして,その倉庫に灯油をまいてライターで火をつけたが炎は燃え上がらず,燃焼には至らなかった。その倉庫がA所有のものであった場合,Aには非現住建造物等放火罪(刑法第109条第2項)の未遂罪が成立する。

3.Aは,無人の倉庫に放火するためにこれに使用するガソリンとライターを持ってその倉庫に向かっていたところ,Aに不審を抱いた警察官から職務質問を受け,倉庫に放火するには至らなかった。その倉庫がA所有のものであった場合,Aに放火予備罪(刑法第113条)は成立しない。

4.Aは,A所有の倉庫に放火しようと考え,その倉庫の近くの消火栓から放水できないように同消火栓に工作をしたが,放火するには至らなかった。Aには消火妨害罪(刑法第114条)が成立する。

5.Aは,無人の倉庫に灯油をまいて放火し,これを焼損したが,公共の危険は生じなかった。その倉庫が火災保険の付されたA所有のものであった場合,Aに非現住建造物等放火罪(刑法第109条第1項)は成立しない。

「平成26年 短答式試験 刑事系科目」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/000123126.pdf)をもとに作成

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