【以下の問題の解答に当たっては,国際物品売買契約に関する国際連合条約(ウィーン売買条約)の適用を考慮する必要はない。】
Aが首輪の付いている飼い主不明の犬を発見し,その不明の飼い主のために犬の世話をした場合に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.Aが自分の家に犬を連れて帰り,世話をしている場合,犬の飼い主に対して報酬を請求することはできない。
イ.Aが自分の家に犬を連れて帰り,世話をしている場合,犬の世話について要求される注意義務の程度は自己の財産に対するのと同一の注意で足りる。
ウ.Aが自分の家に犬を連れて帰り,世話をしていたところ,犬が下駄箱の上に置かれていた花瓶を倒し,壊してしまった。この場合,Aに過失がなかったとすると,Aは犬の飼い主に対して損害賠償を請求することができる。
エ.Aが自分の家に犬を連れて帰り,世話をしていたところ,犬が家の塀を乗り越え,通行人Bに怪我をさせた。この場合のAは,所有の意思を持たないため,動物の占有者としての責任を負わず,BがAに対して損害賠償を請求するには,Aの過失を立証しなければならない。
オ.Aは,犬を発見した時,犬が怪我をしていたので,獣医に治療を受けさせ,治療費を支払った。その後,飼い主が犬の返還を求めてきた場合,Aは,支払った治療費の償還を受けるまで,犬の引渡しを拒むことができる。
1.ア ウ
2.ア オ
3.イ ウ
4.イ エ
5.エ オ
「平成26年 短答式試験 民事系科目」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/000123125.pdf)をもとに作成