横領の罪に関する次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合,正しいものはどれか。
1.横領罪の「占有」とは,物に対して事実上の支配力を有する状態をいい,物に対して法律上の支配力を有する状態を含まない。
2.株式会社の代表取締役には,同社の所有物について,横領罪の「占有」は認められない。
3.横領罪の「物」は,窃盗罪における「財物」と同義であり,不動産は横領罪の客体とはならない。
4.法人の金員を管理する者が,同法人の金員を支出した場合,同支出が商法その他関係法令に照らして違法であっても,横領罪の「不法領得の意思」が認められないことがある。
5.業務上横領罪の「業務」には,社会生活上の地位に基づいて反復継続して行われる事務であれば,いかなる事務も含まれる。
「平成25年 短答式試験 刑事系科目」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/000111056.pdf)をもとに作成