司法試験短答式試験過去問題一問一答

利用規約プライバシーポリシーご意見・お問い合わせランダム一問一答

平成25年 刑事系科目

第6問 (配点: 2)


文書偽造の罪に関する次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合,正しいものはどれか。

1.甲は,A公立高校を中途退学した乙から「父親に見せて安心させたい。それ以外には使わないからA公立高校の卒業証書を作ってくれ。」と頼まれ,乙の父親に呈示させる目的で,A公立高校校長丙名義の卒業証書を丙に無断で作成した。甲には公文書偽造罪は成立しない。

2.甲は,自己の所有する土地の登記記録を改ざんしようと考え,法務局の担当登記官である乙にその情を打ち明けて記録の改ざんを依頼し,乙に登記簿の磁気ディスクに内容虚偽の記録をしてもらった。甲には電磁的公正証書原本不実記録罪,同供用罪の共同正犯が成立する。

3.甲は,行使の目的で,高齢のため視力が衰え文字の判読が十分にできない乙に対し,公害反対の署名であると偽り,その旨誤信した乙に,甲を貸主,乙を借主とする100万円の借用証書の借主欄に署名押印させた。甲には私文書偽造罪が成立する。

4.甲と乙は,警察署に提出する目的で,県立病院の医師丙に内容虚偽の診断書を作成させる旨共謀し,甲が丙にこれを依頼したが,丙に断られたため,甲は,乙に相談することなく自ら県立病院医師丙名義で内容虚偽の診断書を作成した。乙には虚偽診断書作成罪の共同正犯が成立する。

5.甲は,行使の目的で,正規の国際運転免許証を発給する権限のない民間団体乙名義で,外観が正規の国際運転免許証に酷似する文書を作成した。甲は,乙からその文書の作成権限を与えられていたが,乙に正規の国際運転免許証を発給する権限がないことは知っていた。甲には私文書偽造罪は成立しない。

「平成25年 短答式試験 刑事系科目」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/000111056.pdf)をもとに作成

平成25年 刑事系科目 第6問 (配点: 2) | 司法試験短答式試験過去問題一問一答
このエントリーをはてなブックマークに追加
11 / 67