司法試験短答式試験過去問題一問一答

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平成25年 刑事系科目

第2問 (配点: 3) 備考: 順不同(部分点なし)


監禁の罪に関する次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討し,正しいものを2個選びなさい。

1.甲は,自己が経営する飲食店で住み込みの従業員として違法に働かせていたA女が逃げたことから,これを連れ戻すため,A女に対し,「お母さんが病気で入院していると連絡があった。これからその病院に連れて行くから,車に乗れ。」と嘘を言い,これを信じたA女を自己の運転する普通乗用自動車に乗車させて約12キロメートル走行した。甲に監禁罪は成立しない。

2.甲は,身の代金取得の目的で7歳の子供Aを拐取し,さらに,Aの手足をロープで縛って逃げることができないようにして自室に閉じ込め,その間にAの親に電話をかけて身の代金を要求した。甲に監禁罪は成立しない。

3.甲は,知人のA女をA女宅に送るため,自己が運転する原動機付自転車の後部荷台に乗せて走行していたが,途中でA女を強姦しようと考え,なおも走行を続けた。その後,甲の意図に気付いたA女が「降ろして。」と叫んだが,甲は,これを無視して,そのまま約1キロメートルの間,同車を疾走させた。甲には監禁罪が成立する。

4.甲は,自己の所属する暴力団の配下組員Aに指を詰めさせることとし,嫌がるAを無理やり普通乗用自動車に乗せて組事務所に連行し,約1時間半にわたってAを監視したが,その間に,組事務所内において,Aの左腕を押さえ付け,包丁でAの小指を切断した。甲には監禁致傷罪が成立する。

5.甲は,通行中のA女を殴るなどして無理やり自己が運転する普通乗用自動車に乗せて同車を疾走させて連れ回そうと考え,同車を停めて運転席から降り,路上でA女に近づき,A女を同車に連れ込むために,A女の顔面を殴打して加療約2週間を要する顔面挫傷の傷害を負わせたが,A女が甲に捕まえられることなく逃げたため,A女を同車に乗せることはできなかった。甲に監禁致傷罪は成立しない。

「平成25年 短答式試験 刑事系科目」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/000111056.pdf)をもとに作成

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