司法試験短答式試験過去問題一問一答

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平成24年 刑事系科目

第6問 (配点: 2)


詐欺罪又は恐喝罪に関する次のアからオまでの各記述を判例の立場に従って検討し,誤っているものを全て選んだ場合の組合せは,後記1から7までのうちどれか。

ア.甲は,交通事故を装い保険会社から保険金をだまし取ろうと企て,自己の運転する自動車を道路脇の電柱に衝突させて自ら怪我をした。この場合,甲には,自動車を電柱に衝突させた時点で,詐欺未遂罪が成立する。

イ.甲は,警察官でないのに警察官を装い,窃盗犯人である乙に対し,「警察の者だが,取り調べる必要があるから差し出せ。」などと虚偽の事実を申し向けて盗品の提出を求め,これに応じなければ直ちに警察署に連行するかもしれないような態度を示したところ,乙は,逮捕されるかもしれないと畏怖した結果,甲に盗品を交付した。この場合,甲には,恐喝既遂罪が成立する。

ウ.甲は,無銭宿泊を企て,宿泊代金を支払う意思も能力もないのに,これらがあるように装い,民宿を営む乙に対し,宿泊を申し込んだところ,乙は,他の民宿から甲が無銭宿泊の常習者であることを聞いていたため,甲に宿泊代金支払の意思も能力もないことが分かったが,甲に憐憫の情を抱き,甲を宿泊させた。この場合,甲には,詐欺未遂罪が成立するにとどまる。

エ.甲は,通行中の乙から現金を喝取することを企て,乙に対し,反抗を抑圧するに至らない程度の脅迫を加えたところ,乙は,甲の脅迫により畏怖し,甲が乙の上着の内ポケットに手を入れて財布を抜き取ることを黙認した。この場合,甲には,恐喝未遂罪が成立するにとどまる。

オ.甲は,偽札を作る意思がないのに,乙に対し,一緒に偽札を作ることを持ちかけた上,偽札を作る機材の購入資金にすると嘘を言って資金の提供を求め,その旨誤信した乙から同資金として現金の交付を受けた。この場合,甲には,詐欺未遂罪も,詐欺既遂罪も成立しない。

1.アイウ
2.アエオ
3.アオ
4.イウ
5.イオ
6.エ
7.エオ

「平成24年 短答式試験 刑事系科目」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/000098334.pdf)をもとに作成

平成24年 刑事系科目 第6問 (配点: 2) | 司法試験短答式試験過去問題一問一答
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