甲建物を所有していたAが死亡し,Aには子B,C及びDがいるが,遺産分割は未了である場合,次の1から5までの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものはどれか。
1.BがC及びDに無断で甲建物についてBへの所有権移転登記をした上でこれを第三者Eに売り,Eへの所有権移転登記をした場合,C及びDは,Eに対し,それぞれの持分権を対抗することができない。
2.BがAの死亡後新たに甲建物で居住を開始し,C及びDに甲建物を使用させない場合,C及びDは,甲建物に現実に居住する意思がないときでも,Bに対し,持分の割合に応じた使用料相当額を不当利得として返還請求することができる。
3.遺産分割がされる前であっても,甲建物について,B,C及びDの法定相続分に応じた持分の割合により,相続を原因とする所有権移転登記をすることができる。
4.第三者EがBから甲建物の共有持分権を譲り受けた場合,EがC及びDとの共有関係の解消のためにとるべき裁判手続は,共有物分割訴訟である。
5.Bが遺産分割協議書を偽造して甲建物についてBへの所有権移転登記をした場合は,C及びDがその事実を知った時から5年以上経過後に当該登記の是正を請求するときでも,Bは,相続回復請求権の5年の短期消滅時効が完成したことを主張することができない。
「平成24年 短答式試験 民事系科目」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/000098333.pdf)をもとに作成