司法試験短答式試験過去問題一問一答

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平成23年 刑事系科目

第36問 (配点: 3)


次のⅠ及びⅡの【見解】は,裁判所が公判廷において鑑定を命じた鑑定人によって鑑定書が作成された場合に,その鑑定書を公判廷においてどのような手続により取り調べるのかという問題に関するものである。この見解について述べた後記のアからカまでの【記述】のうち,誤っているものの組合せは,後記1から6までのうちどれか。

【見解】

Ⅰ.裁判所は,当事者の取調べ請求を待たず,鑑定書を公判廷において取り調べる必要がある。

Ⅱ.裁判所は,鑑定書を公判廷において取り調べるためには,原則として,当事者からその取調べ請求を受ける必要がある。

【記述】

ア.Ⅱ説は,鑑定書が公判準備における鑑定人の尋問の結果を記載した書面と実質上何ら変わりがないとして,公判準備における証人尋問等の結果を記載した書面の取調べ手続と同様にすべきと考えるものである。

イ.Ⅱ説は,鑑定書の取調べを当事者の意思にかからしめることが証拠調べにおける当事者主義からみて当然のことであると考えるものである。

ウ.Ⅰ説は,裁判所が鑑定書による報告を命じたことにつき,当然その鑑定書の取調べを予定しているものであると考えるものである。

エ.Ⅱ説によれば,鑑定請求をした弁護人が,鑑定書の取調べ請求をする旨の意見を述べた場合,その請求は,鑑定書を取り調べることに同意する旨の意見と解することになる。

オ.Ⅰ説によれば,弁護人及び検察官のいずれもが,鑑定書の取調べ請求をしない旨の意見を述べた場合,裁判所は,職権で,刑事訴訟法第321条第4項の手続を履践すべく,鑑定人を証人として尋問する旨の決定をしなければならない。

カ.Ⅱ説によれば,鑑定請求をした弁護人が,鑑定書の取調べ請求をしない旨の意見を述べ,検察官が,鑑定書の取調べ請求をする旨の意見を述べた場合,検察官は,裁判所に鑑定書を取り調べてもらうためには,刑事訴訟法第321条第4項の立証手続として鑑定人を証人として尋問する旨の請求をする必要がある。

1.ア イ
2.ア エ
3.イ ウ
4.ウ オ
5.エ カ
6.オ カ

「平成23年 短答式試験 刑事系科目」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/000073971.pdf)をもとに作成

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