次の1から5までの各記述のうち,誤っているものはどれか。
1.前科のない甲が強盗致傷罪を犯して同罪で起訴された場合,裁判所は,酌量減軽をする事由があれば,甲に対し,懲役3年,5年間執行猶予(保護観察なし)の判決を宣告することができる。
2.前科のない甲が窃盗罪を犯して同罪で起訴された場合,裁判所は,甲に対し,罰金30万円の判決を宣告するに当たり,その執行を猶予することができる。
3.甲は,判決により,懲役2年,3年間執行猶予(保護観察なし)に処せられたが,その後犯した窃盗罪で起訴され,前記執行猶予期間の経過前に判決宣告日を迎えた。この場合,裁判所は,甲に対し,懲役2年,3年間執行猶予(保護観察付き)の判決を宣告することができる。
4.甲は,判決により,懲役1年,2年間執行猶予(保護観察なし)に処せられたが,その後犯した窃盗罪で前記執行猶予期間の経過前に起訴され,同執行猶予期間経過後に判決宣告日を迎えた。この場合,裁判所は,甲に対して,懲役3年,5年間執行猶予(保護観察付き)の判決を宣告することができる。
5.懲役刑に処せられた甲が,その執行終了の1年後に犯した窃盗罪で起訴され,執行終了後5年を経過する前に判決の宣告を受ける場合,裁判所は,甲に対して,執行猶予付きの懲役刑を言い渡すことができない。
(参照条文)刑法
第235条 他人の財物を窃取した者は,窃盗の罪とし,10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
第240条 強盗が,人を負傷させたときは無期又は6年以上の懲役に処し,死亡させたときは死刑又は無期懲役に処する。
「平成23年 短答式試験 刑事系科目」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/000073971.pdf)をもとに作成