動産の即時取得に関する次の1から5までの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものを2個選びなさい。
1.即時取得の規定は,取引の相手方を保護する制度であるが,道路運送車両法による登録を受けている自動車については,その登録が抹消されない限り即時取得の規定の適用はない。
2.即時取得の規定は,他人の動産を占有していた被相続人の財産を相続により承継する場合には,適用がない。
3.意思無能力者である取引の相手方からその所有する動産を譲り受けた者も,相手方が意思無能力者であることについて善意無過失であれば,即時取得により当該動産についての所有権を取得する。
4.売買の目的物である動産について占有改定の方法により当該動産の占有を取得した買主は,売主が無権利者であったとしても,売主が無権利者であることについて善意無過失であれば,即時取得により当該動産についての所有権を取得する。
5.動産が盗品であることについて善意無過失で競売により取得してこれを占有している者は,被害者から当該盗品の返還請求を受けたとしても,競売代金相当額の支払を被害者から受けるまでは盗品の引渡しを拒むことができ,当該盗品の使用利益相当額を被害者に支払う必要もない。
「平成23年 短答式試験 民事系科目」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/000073970.pdf)をもとに作成