司法試験短答式試験過去問題一問一答

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平成22年 刑事系科目

第17問 (配点: 2)


次の1から5までの各記述における甲の罪責を判例の立場に従って検討した場合,正しいものはどれか。

1.甲は,殺人事件の被疑者として逮捕状が発付されている乙が犯人ではないと信じ,乙に隠れ家を提供して同人をかくまったが,その後,発見逮捕された乙が真犯人であることが明らかとなり,同人に対する有罪判決が確定した。甲は乙が犯人ではないと誤信していたので,甲に犯人蔵匿罪は成立しない。

2.甲は,傷害事件で勾留されている乙の起訴を免れさせるために,丙に対し,乙の身代わり犯人となるように唆し,これにより丙は,警察に出頭して上記傷害事件の真犯人は自分である旨虚偽の事実を申告した。乙は既に拘束されているので,甲に犯人隠避教唆罪は成立しない。

3.甲は,被告人乙の刑事裁判を有利に運ぶために,同人に不利益な事実を知っている証人予定者の丙を人里離れた山中の別荘に監禁した。人的証拠も「証拠」に該当するので,甲に証拠隠滅罪が成立する。

4.甲は,親友乙が丙を殺害した事実を知り,乙の罪を免れさせようと考え,捜査機関が同事実の存在を知る前に,自殺する旨の記載のある丙名義の遺書を作成して丙の遺族に送付した。捜査機関は未だ捜査を開始していないので,甲に証拠偽造罪は成立しない。

5.甲は,殺人事件の被疑者として警察に追われていたため,知人乙にその事情を打ち明けて同人所有の別荘に住まわせてくれるように依頼し,これを承諾した乙から同別荘の鍵を受け取って同別荘に身を隠した。犯人自身に逃げ隠れしないことを期待できないので,甲に犯人蔵匿教唆罪は成立しない。

「平成22年 短答式試験 刑事系科目」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/000046903.pdf)をもとに作成

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