司法試験短答式試験過去問題一問一答

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平成21年 公法系科目

第37問 (配点: 2)


国家賠償法第2条に関する次のアからウまでの各記述について,最高裁判所の判例に照らし,正しいものに○,誤っているものに×を付した場合の組合せを,後記1から8までの中から選びなさい。

ア.市が管理する道路に設置された防護柵から幼児が転落した事故において,当該防護柵は,その材質,高さその他その構造に徴し,通行時における転落防止の目的からみてその安全性に欠けるところがなく,当該事故が通常予測することのできない被害者の行動に起因するものであったといえる場合には,当該事故につき,市が営造物の設置管理者としての責任を負うことはない。

イ.点字ブロック等のように,新たに開発された視力障害者用の安全設備を駅に設置しなかったことが当該駅のホームに係る設置又は管理の瑕疵に該当するか否かを判断するに当たっては,視力障害者の事故発生の危険性の程度,その事故を防止するために当該安全設備を設置する必要性の程度及び当該安全設備の設置の困難性等の諸般の事情を総合考慮することを要するが,その際,当該安全設備が全国ないし当該地域における駅のホーム等に普及しているかどうかについてまで考慮する必要はない。

ウ.国家賠償法第2条第1項の営造物の設置又は管理の瑕疵とは,営造物が通常有すべき安全性を欠いていることをいい,そこにいう安全性の欠如とは,当該営造物を構成する物的施設自体に存する物理的,外形的な欠陥ないし不備によって一般的にその利用者に危害を生ぜしめる危険性があることを意味するから,このような危険性ではなく,その営造物が供用目的に沿って利用されることとの関連においてその利用者以外の第三者に危害を生ぜしめる危険性があるというだけでは,国家賠償法第2条第1項の営造物の設置又は管理の瑕疵があるとはいえない。

1.ア○ イ○ ウ○
2.ア○ イ○ ウ×
3.ア○ イ× ウ○
4.ア○ イ× ウ×
5.ア× イ○ ウ○
6.ア× イ○ ウ×
7.ア× イ× ウ○
8.ア× イ× ウ×

「平成21年 短答式試験 公法系科目」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/000006451.pdf)をもとに作成

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