司法試験短答式試験過去問題一問一答

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平成21年 公法系科目

第5問 (配点: 2)


市立小学校の校長が音楽専科の教諭に対し,入学式における国歌斉唱の際に「君が代」のピアノ伴奏を行うよう命じた職務命令が,憲法第19条に違反しないとした最高裁判所の判決(最高裁判所平成19年2月27日第三小法廷判決,民集61巻1号291頁)に関する次のアからウまでの各記述について,正しいものには○,誤っているものには×を付した場合の組合せを,後記1から8までの中から選びなさい。

ア.この判決は,校長の職務命令が,「君が代」について当該教諭が有する歴史観ないし世界観それ自体を直接否定するものであることを認めつつも,公務員は全体の奉仕者であって,思想・良心の自由も職務の公共性に由来する内在的制約を受けるから,上記職務命令が当該教諭の思想・良心の自由を制約するものであっても受忍すべきであるとした。

イ.この判決は,「君が代」のピアノ伴奏の強制により制約される当該教諭の思想・良心の自由と,「君が代」の伴奏が録音テープで行われることによって損なわれる入学式進行の秩序・規律とを,具体的に比較衡量した上で,「君が代」をテープ伴奏にすることによる違和感は看過し難いから,校長の職務命令が不合理とはいえないとした。

ウ.この判決は,入学式の国歌斉唱の際に「君が代」のピアノ伴奏をする行為は,音楽専科の教諭にとって通常想定され期待されるものであり,当該教諭が特定の思想を有するということを外部に表明する行為であると評価することは困難であって,校長の職務命令は当該教諭に対し特定の思想を持つことを強制したり禁止したりするものではないとした。

1.ア○ イ○ ウ○
2.ア○ イ○ ウ×
3.ア○ イ× ウ○
4.ア○ イ× ウ×
5.ア× イ○ ウ○
6.ア× イ○ ウ×
7.ア× イ× ウ○
8.ア× イ× ウ×

「平成21年 短答式試験 公法系科目」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/000006451.pdf)をもとに作成

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