司法試験短答式試験過去問題一問一答

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平成21年 刑事系科目

第36問 (配点: 3)


次の【事例】中のA証言ないしC証言の証拠能力に関する後記アからカまでの【記述】のうち,正しいものの組合せは,後記1から6までのうちどれか。

【事例】

被告人甲は,Vを殺害した殺人被告事件で起訴されたが,同被告事件の第一回公判期日において,犯行日のアリバイを主張し,自分は犯人ではない旨述べた。

同被告事件の第×回公判期日において,検察官が,「被告人がVを殺害したこと」を立証趣旨として,Aを証人尋問したところ,Aは,「事件のあった翌日,甲が私に対し,Vを殺したと言った。」と証言した(A証言)。

次に,同被告事件の第×回公判期日において,検察官が,「Wが犯行時間帯に犯行現場付近で被告人を目撃したこと」を立証趣旨として,Bを証人尋問したところ,Bは,「友人のWが私に対し,事件直後に現場付近で甲を見たと言っていた。」と証言した(B証言)。

次に,同被告事件の第×回公判期日において,弁護人が,「被告人が犯行日に旅行中でアリバイがあること」を立証趣旨として,Cを証人尋問したところ,Cは,「甲が私に対し,事件があった日には旅行中であったと言っていた。」と証言した(C証言)。

なお,弁護人は,Aの証人尋問の終了までに前記A証言を,Bの証人尋問終了までに前記B証言をそれぞれ証拠とすることに異議を申し立て,また,検察官は,Cの証人尋問の終了までに前記C証言を証拠とすることに異議を申し立てた。

【記述】

ア.A証言は,不利益な事実の承認をした被告人の署名又は押印がないので,これを証拠とすることができない。

イ.A証言は,被告人のAに対する供述が任意にされたものであると認めるときは,これを証拠とすることができる。

ウ.B証言は,Wが公判期日においてWがBにした供述と相反する供述をしたときで,かつ,公判期日における供述よりもWがBにした供述を信用すべき特別の情況の存するときに限り,これを証拠とすることができる。

エ.B証言は,Wが所在不明であるため公判期日において供述することができず,かつ,Wの供述が犯罪事実の存否の証明に欠くことができないものであるときは,Wの供述が特に信用すべき情況の下にされたものであるときに限り,これを証拠とすることができる。

オ.C証言は,被告人のCに対する供述が特に信用すべき情況の下にされたものであるときに限り,これを証拠とすることができる。

カ.C証言は,被告人が犯行日に旅行中でアリバイがあることを立証するための証拠とはなり得ないが,A証言中の被告人のAに対する供述の証明力を争うためには,これを証拠とすることができる。

1.アウオ
2.アエオ
3.アウカ
4.イウカ
5.イエオ
6.イエカ

「平成21年 短答式試験 刑事系科目」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/000006453.pdf)をもとに作成

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