次のアからオまでの各事例における甲の罪責について,判例の立場に従って検討し,正しい場合には1を,誤っている場合には2を選びなさい。
ア.甲は,自己が所有し,その旨登記されている家屋を乙に売却して引き渡し,その売買代金を受領した後,乙への所有権移転登記が完了する前に,当該家屋に丙を権利者とする抵当権を設定し,その旨の登記をした。甲は,乙に当該家屋を売却して引き渡している以上,当該家屋は「自己の占有する」物とはいえないので,甲には乙を被害者とする横領罪は成立しない。
「平成21年 短答式試験 刑事系科目」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/000006453.pdf)をもとに作成