次の1から5までの各記述のうち,判例の趣旨に照らし,前訴確定判決の既判力が後訴の請求に関する判断に作用しないものを2個選びなさい。
1.被告の相殺の抗弁を認めて,原告の売買代金請求を棄却する前訴判決が確定した後に,前訴の原告が,前訴と同一の売買契約に基づく代金の支払を求めて提起した後訴
2.取得時効を認めて,甲土地が原告の所有であることを確認する前訴判決が確定した後に,前訴の被告が時効の中断を主張して,前訴の原告に対して,甲土地が前訴の被告の所有であることの確認を求めて提起した後訴
3.売買契約によって被告から甲土地を取得したことを理由に,原告の所有権移転登記手続請求を認める前訴判決が確定した後に,前訴の被告が前訴の原告に対して,当該売買契約に錯誤があったとして,甲土地が前訴の被告の所有であることの確認を求めて提起した後訴
4.被告から絵画を買い受けたことを理由として,当該絵画の原告への引渡しを命じる前訴判決が確定した後に,前訴の被告が,詐欺を理由とする売買契約の取消しを主張して,前訴確定判決について提起した請求異議の訴え
5.交通事故による受傷に関して口頭弁論終結時までに支出した治療費につき損害賠償を命じる前訴判決が確定した後,前訴の原告が,前訴の口頭弁論終結時には医学的に予想できなかった後遺症が現れ,手術を余儀なくされたとして,当該手術による治療費についての損害賠償を求めて提起した後訴
「平成21年 短答式試験 民事系科目」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/000006452.pdf)をもとに作成