司法試験短答式試験過去問題一問一答

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平成21年 民事系科目

第23問 (配点: 3)


A(東京在住)は,友人の美術品愛好家B(京都在住)が所有する複数の掛け軸のうち掛け軸「甲」を手に入れたいと考えた。そこで,AはBに対し,4月1日,そのための手紙を出し,この手紙は4月3日にBに届いた(以下これを「本件手紙」という。)。この場合において,AB間の甲の売買契約の成否及びその時期に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。なお,日付は,本問において,すべて同じ年のものである。

ア.本件手紙が「甲などお手持ちの掛け軸について,お譲りくださるお気持ちはありませんでしょうか。」というものであり,これに対し,Bが4月4日,「100万円でよろしければ甲をお譲りします。」という返事の手紙を出し,この手紙が4月6日にAに届いたところ,AがBに,4月7日,「甲を100万円でお譲りくださるとのこと,ありがとうございます。」という手紙を出し,この手紙が4月9日にBに届いた場合,甲の売買契約は4月4日に成立する。

イ.本件手紙が「甲を100万円でお譲りください。」というものであり,これに対し,Bが4月4日,「100万円で甲をお譲りします。」という返事の手紙を出し,この手紙が4月6日にAに届いた場合,甲の売買契約が4月6日に成立する。

ウ.本件手紙は「甲を100万円でお譲りください。」というものであり,これに対し,Bが4月4日,「120万円でよろしければ甲をお譲りします。」という返事の手紙を出し,この手紙が4月6日にAに届いたところ,AがBに,4月7日,「それでは120万円で甲をお譲りください。」という手紙を出し,この手紙が4月9日にBに届いた場合,甲の売買契約が4月7日に成立する。

エ.本件手紙は「甲を100万円でお譲りください。」というもので,4月3日午後3時にBに届いたが,Aは,本件手紙を投函した後,気が変わり,4月3日午後9時に,「本件手紙が届くかと思いますが,事情により,甲をお譲り願う件はなかったことにしてください。」という内容の文書をファクシミリでBに送信し,当該ファクシミリ文書は同日時にB宅に届いた。しかし,Bは,4月4日,「100万円で甲をお譲りします。」という返事の手紙を出し,この手紙が4月6日にAに届いた場合,甲の売買契約が4月4日に成立する。

オ.本件手紙は「甲を100万円でお譲りください。」というものであったが,Aは,手紙を投函した後,気が変わり,4月2日午後9時,「本件手紙が届くかと思いますが,事情により,甲をお譲り願う件はなかったことにしてください。」という内容の文書をファクシミリでBに送信し,当該ファクシミリ文書は同日時にB宅に届いた。その翌日である4月3日,本件手紙がBに届いた。しかし,Bは,4月5日,「100万円で甲をお譲りします。」という返事の手紙を出し,この手紙が4月7日にAに届いた場合,甲の売買契約が4月5日に成立する。

1.ア イ
2.ア オ
3.イ ウ
4.ウ エ
5.エ オ

「平成21年 短答式試験 民事系科目」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/000006452.pdf)をもとに作成

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