「公共の福祉」に関する次のアからウまでの各記述について,それぞれ正しい場合には1を,誤っている場合には2を選びなさい。
ウ. すべての人権に論理必然的に内在する「公共の福祉」は,人権相互間に生じる矛盾・衝突の調節を図るための実質的公平の原理であり,例えば,社会権を実質的に保障するために自由権を制約する場合には必要な限度の規制が認められるという見解がある。しかし,この見解では,憲法第22条,第29条の「公共の福祉」が,結局,国の経済的・社会的政策という意味でとらえられることになり,広汎な裁量論の下で経済的自由権と社会権の保障が不十分になるおそれがある。
「平成20年 短答式試験 公法系科目」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/000006411.pdf)をもとに作成