司法試験短答式試験過去問題一問一答

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平成20年 公法系科目

第1問 (配点: 2)


諸種の憲法概念に関する次のアからエまでの各記述について,明らかに誤っているもの二つの組合せを,後記1から6までの中から選びなさい。

ア. 憲法概念は,その存在様式によって区分することができる。憲法という法形式をとって存在している法を「形式的意味の憲法」と呼び,法形式にかかわらず国家の組織や作用に関する基本的な規範を「実質的意味の憲法」と呼ぶ。後者の概念からすれば,国会法や公職選挙法の一部の規定は憲法法源としての意味を持つことになる。

イ. 形式的意味の憲法の効力は他の法規範よりも優越する。今日多くの国では,この優越性を現実に保障するため裁判所による違憲審査制を採用しているが,法令の合憲性について議会が最終的に判断するという制度が憲法の形式的優位性と矛盾するとはいえない。

ウ. 憲法の内容に着目すると,「固有の意味の憲法」と「立憲的意味の憲法」を区別することができる。「権利の保障が確保されず,権力の分立が定められていない社会は,すべて憲法を持つものではない」という1789年のフランス人権宣言の有名な一節は,前者の趣旨を示したものである。

エ. 形式的意味の憲法にはいかなる内容を盛り込むことも可能であるが,歴史的には立憲主義の成文化を求める動きが憲法典の普及を促進した。日本国憲法はこの経緯を踏まえ,憲法の形式的優位性の実質的根拠を示すため,第10章「最高法規」中に公務員の憲法尊重擁護義務を定める第99条を置いている。

1. アとイ
2. アとウ
3. アとエ
4. イとウ
5. イとエ
6. ウとエ

「平成20年 短答式試験 公法系科目」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/000006411.pdf)をもとに作成

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