XはYに対して,甲土地の所有権の確認を求める訴えを提起し,その判決が確定したとする(以下この判決を「前訴判決」という。)。次の1から4までの各記述のうち,正しいものを2個選びなさい。
1. 前訴判決がXの請求棄却であったとする。XがYに対して甲土地の所有権の確認を求める後訴を提起することは,前訴判決の既判力に触れるので却下される。
2. 前訴判決がXの請求棄却であり,その理由がYが甲土地の所有者であるという判断に基づいていたとする。YのXに対する甲土地の所有権の確認を求める後訴でXが前訴判決基準時におけるYの所有権を争うことは,いわゆる一物一権主義により既判力によって妨げられる。
3. 前訴判決がXの請求認容であったとする。XがYに対して甲土地の所有権の確認を再度求める後訴は,前訴判決の既判力に抵触するとの理由で却下されることはない。
4. 前訴判決がXの請求認容であったとする。その後Xから甲土地を借り受けたZが債権者代位権の行使としてYに対して甲土地の引渡しを求めたときには,Yは前訴判決基準時におけるXの所有権の存在と矛盾しない攻撃防御方法のみ提出できる。
「平成20年 短答式試験 民事系科目」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/000006412.pdf)をもとに作成