訴訟物に関する次の1から4までの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを2個選びなさい。
1. Xが,Yの1個の不法行為によりXの身体に傷害を負ったとして,それによって生じた損害の賠償を一つの訴えによって求めた場合に,Xが損害項目として治療費,逸失利益及び慰謝料を主張しているときは,損害項目ごとに訴訟物を異にする。
2. 賃貸人Xが,賃借人Yに対し,賃貸借契約の終了に基づく目的物の返還を求める訴えを提起した場合に,Xが賃貸借契約終了原因として,Yの賃料不払による解除及びYの用法違反による解除を主張しているときは,訴訟物は1個である。
3. 貸主Xが,借主Yに対し,貸金債権及びその利息債権を請求する訴えを提起したときは,訴訟物は複数である。
4. Xが,Yに対して1000万円の支払を求める訴えを提起した場合に,Xが「Yに対して1000万円を貸し付けた。仮に借り受けたのがYではなくAであったとしても,YはAの返還債務につき保証したので,いずれにせよ1000万円の支払義務がある。」と主張しているときは,給付義務が1個であるから,訴訟物は1個である。
「平成20年 短答式試験 民事系科目」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/000006412.pdf)をもとに作成