司法試験短答式試験過去問題一問一答

利用規約プライバシーポリシーご意見・お問い合わせランダム一問一答

平成20年 民事系科目

第25問 (配点: 2)


敷金の取扱いに関する次の1から5までの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものはどれか。

1. 建物賃貸借契約において,当該建物の所有権移転に伴い賃貸人たる地位に承継があった場合には,旧賃貸人に差し入れられた敷金は,未払賃料債務があればこれに当然充当され,残額についてその権利義務関係が新賃貸人に承継される。

2. 建物賃貸借における敷金は,賃貸借終了後建物明渡義務履行までに生ずる賃料相当額の損害金債権その他賃貸借契約により賃貸人が賃借人に対して取得する一切の債権を担保するものであり,敷金返還請求権は,賃貸借終了後建物明渡完了の時においてそれまでに生じた上記の一切の被担保債権を控除しなお残額がある場合に,その残額につき具体的に発生する。

3. 土地賃借権が賃貸人の承諾を得て旧賃借人から新賃借人に移転された場合であっても,敷金に関する敷金交付者の権利義務関係は,敷金交付者において賃貸人との間で敷金をもって新賃借人の債務の担保とすることを約し又は新賃借人に対して敷金返還請求権を譲渡するなど特段の事情のない限り,新賃借人に承継されない。

4. 敷金が授受された賃貸借契約に係る賃料債権につき抵当権者が物上代位権を行使してこれを差し押さえた場合において,当該賃貸借契約が終了し,目的物が明け渡されたとしても,それまでに生じた賃料債権が,敷金の充当によって消滅することはない。

5. 建物賃貸借終了に伴う賃借人の建物明渡債務と賃貸人の敷金返還債務とは,特別の約定のない限り,同時履行の関係に立たず,賃貸人は,賃借人から建物明渡しを受けた後に敷金残額を返還すれば足りる。

「平成20年 短答式試験 民事系科目」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/000006412.pdf)をもとに作成

平成20年 民事系科目 第25問 (配点: 2) | 司法試験短答式試験過去問題一問一答
このエントリーをはてなブックマークに追加
29 / 87