司法試験短答式試験過去問題一問一答

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平成19年 公法系科目

第10問 (配点: 2)


生存権に関する次のアからウまでの各記述について,最高裁判所の判例に照らして,正しいものに○,誤っているものに×を付した場合の組合せを,後記1から8までの中から選びなさい。

ア. 憲法第25条第2項は事前の積極的防貧施策をなすべき国の努力義務を定め,第1項は第2項の防貧施策の実施にかかわらずなお落ちこぼれた者に対し,「最低限度の生活」を確保するため事後的救貧施策をなすべき国の責務を定めている。したがって,第1項にかかわる生活保護の受給資格等が争われる事案は,国民年金法による障害福祉年金の受給制限が争われる第2項に関する事案よりも厳格な司法審査が行われる。

イ. 憲法上の人権規定の趣旨を具体化する立法が不備な場合に,国民が直接憲法に基づいて具体的な請求をなし得るかどうかは,人権規定により異なる。法律に補償に関する規定が欠けていても直接憲法第29条第3項を根拠にして損失補償請求権が認められることがあるのに対して,生存権の場合は,憲法第25条は個々の国民に対し具体的権利を付与していないから,直接同条に基づき具体的な給付請求をすることはできない。

ウ. 憲法第25条の趣旨を立法により実現することについては,多方面にわたる複雑多様な,しかも高度の専門技術的な考察とそれに基づいた政策的判断を必要とする。したがって,憲法第25条の規定の趣旨にこたえて具体的にどのような立法措置を講ずるかの選択決定は,立法府の広い裁量に委ねられるが,それが著しく合理性を欠き明らかに裁量の逸脱・濫用と見ざるを得ないような場合には裁判所が審査判断するのであるから,憲法第25条は裁判規範性を持つといえる。

1. ア○ イ○ ウ○
2. ア○ イ○ ウ×
3. ア○ イ× ウ○
4. ア○ イ× ウ×
5. ア× イ○ ウ○
6. ア× イ○ ウ×
7. ア× イ× ウ○
8. ア× イ× ウ×

「平成19年 短答式試験 公法系科目」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/000006371.pdf)をもとに作成

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