司法試験短答式試験過去問題一問一答

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平成18年 公法系科目

第5問 (配点: 3)


「知る権利」に関する次の文章を読み,後記1から3までの小問に答えなさい。

「知る権利」という概念は様々な意味で用いられている。まず,最高裁判所は,(a)事実の報道の自由が憲法第21条の保障の下にあると述べるにあたり,報道機関の報道が国民の「知る権利」に奉仕することを指摘している。また,「知る権利」は,情報を受領する権利を指して用いられることがあるが,最高裁判所の判決は,閲読の自由ないし情報摂取の自由が(b)ことを認めている。さらに,最近では「知る権利」が政府に対して情報の開示を求める権利を指して用いられることが多い。

なお,マス・メディアに対するアクセス権が,マス・メディアに対する「知る権利」と言われることがある。しかし,アクセス権は,「知る権利」というよりは,市民がマス・メディアを利用して表現行為を行う権利である。(c)このアクセス権に対しては様々な批判があり,権利として一般的に承認されてはいない。

 

下線部(c)のいうところのアクセス権に対する批判として明らかに適切でないものを,次の1から3までの中から選びなさい。

1. アクセス権は,私人であるマス・メディアの作為(意見広告の掲載や反論文の掲載等)を求めるものであるので,国家からの自由であるという表現の自由とは根本的に性格が異なる。

2. マス・メディアによる報道において批判された者に当該メディアを用いて無料で反論することを認めることは,マス・メディアの側の報道を萎縮させ,批判的な報道がされなくなるおそれがある。

3. 周波数が有限であることから,放送局に対して公平な放送をするように要求することが憲法上認められるので,新聞によって批判された者の当該新聞に対する反論文掲載請求権はともかく,放送局に対する同様の反論放送請求権を認めることはできない。

「平成18年 短答式試験 公法系科目」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/000006517.pdf)をもとに作成

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