司法試験短答式試験過去問題一問一答

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平成18年 公法系科目

第2問 (配点: 2)


日本国憲法における「主権」の概念に関する次のアからエまでの各記述について,誤っているもの二つの組合せを,後記1から6までの中から選びなさい。

ア. 日本国憲法前文には「われらは,いづれの国家も,自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて,政治道徳の法則は,普遍的なものであり,この法則に従ふことは,自国の主権を維持し,他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる」とあるが,ここにいう「主権」は「国家の統治権」を意味する。

イ. 国民主権の意義を,国家が支配権力を行使する権威のより所(国家権力の正統性)が国民に由来することと解する立場からすると,国民主権の原理は,国家権力の行使が全国民の名の下で行われるべきことを意味するにとどまり,実際に国家の意思決定に国民の意思が的確に反映されるような仕組みを作ることまでは要請されない。

ウ. ポツダム宣言8項には「日本国ノ主権ハ本州,北海道,九州及四国並ニ吾等ノ決定スル諸小島ニ局限セラルベシ」とあるが,ここにいう「主権」は日本国憲法第1条にいう「主権」の意味とは異なる。

エ. 日本国憲法の国民主権原理が明治憲法の天皇主権の否定として表明されたものだという趣旨からすると,日本国憲法下において,少なくとも天皇は国民ではないことは明らかである。

1. アとイ
2. アとウ
3. アとエ
4. イとウ
5. イとエ
6. ウとエ

「平成18年 短答式試験 公法系科目」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/000006517.pdf)をもとに作成

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