司法試験短答式試験過去問題一問一答

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平成18年 刑事系科目

第35問 (配点: 3) 備考: 4問正解で部分点2点、3問正解で部分点1点


刑事訴訟法第328条にいう「公判準備又は公判期日における被告人,証人その他の者の供述の証明力を争うため」に用いることのできる同法「第321条乃至第324条の規定により証拠とすることができない書面又は供述」の範囲については,
① 供述をした者の異なった内容の供述を記載した書面又は供述に限定されると解する説
② ①のみに限定されないが,それ以外は,供述の信用性のみに関する純粋の補助事実,例えば供述者の能力及び性格,当事者に対する偏見,当事者との間の利害関係等を立証する証拠に限られると解する説
③ 伝聞証拠でも,限定なく証拠とすることができると解する説
がある。①から③までの各説に立った場合に,次のアからオまでの【事例】中のAの供述が同法第328条により証拠とすることができるか否かに関する後記aからeまでの【記述】につき,正しい場合には1を,誤っている場合には2を選びなさい。

【事例】

ア. 犯人を目撃した証人Wの「自分が目撃した犯人は白いシャツを着ていた。」旨の証言に対し,Wとともに犯人を目撃したAの「犯人は黒いシャツを着ていた。」旨の司法警察員に対する供述調書により,Wの証言の証明力を争うこと

イ. 犯人を目撃した証人Wの「被告人甲が犯行現場でVの胸をナイフで突き刺すのを見た。」旨の証言に対し,証人Aの「Wは,『犯行現場には行ったこともないし,甲の殺害行為を見たこともない。』と言っていた。」旨の証言により,Wの証言の証明力を争うこと

ウ. 犯人を目撃した証人Wの「自分の目撃した犯人は被告人甲とは違う人間である。」旨の証言に対し,Wの友人Aの「Wは,『甲は,自分が経済的に困窮していたとき,生活費を出してくれるなど何かと面倒を見てくれた。』と言っていた。」旨の証言により,Wの証言の証明力を争うこと

エ. 犯人を目撃した証人Aの「犯人は被告人乙である。」旨の証言が,Aの司法警察員に対する,犯人が被告人乙だとは断言できない。」旨の供述調書によって証明力が減殺された場合,証言内容と一致する内容のAの他の供述調書により,減殺された証明力を回復すること

オ. 鑑定人Bの「被害者の死因は窒息死である。」旨の供述に対し,「Bが解剖時に『被害者の死因は心筋こうそくの可能性もある。』と述べた。」旨の解剖に立ち会ったBの助手Aの証言により,Bの供述の証明力を争うこと

【記述】

a. アは,①から③までのいずれの説を採っても,証拠として許容される。

「平成18年 短答式試験 刑事系科目」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/000006519.pdf)をもとに作成

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