Aは,Bに対し,金銭債権(以下「甲債権」という。)を有している。この事例に関する次の1から4までの記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものを2個選びなさい。
1. Bが,甲債権の存否につきAB間に争いがあるとして,Aに対して甲債権に係る債務の不存在の確認を求める訴えを提起した場合,当該訴えが提起された時点で,甲債権の消滅時効は中断する。
2. Aが動産の上に甲債権を担保するための留置権を有しており,Bからの当該動産の引渡請求訴訟においてAが留置権の抗弁を主張した場合でも,その後に甲債権の消滅時効期間が経過すれば,Bは,当該訴訟において,同債権の時効消滅を主張することができる。
3. AがBに対して甲債権以外の債権に基づいて訴えを提起した後,甲債権に基づく金銭の支払請求を追加する旨の請求の変更を行ったときは,請求の変更の書面が裁判所に提出された時に,甲債権の消滅時効は中断する。
4. AのBに対する甲債権に基づく金銭の支払請求訴訟が二重に係属し,別個に審理されていた場合において,その後,その口頭弁論が併合され,前訴を維持する必要がなくなったとして,Aが前訴を取り下げ,後訴を追行するときは,前訴の提起によって生じた甲債権の消滅時効の中断の効果は消滅しない。
「平成18年 短答式試験 民事系科目」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/000006518.pdf)をもとに作成