使用者責任に関する次の1から5までの記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものはどれか。
1. 被用者の加害行為が使用者の事業の執行についてされたものであることは,被害者が証明する必要があるが,これはその加害行為が外形からしてあたかも被用者の職務の範囲内とみられる場合を含む。
2. 使用者は,被用者の選任及び監督について相当の注意をしたことを証明した場合,責任を免れる。
3. 使用者は,被用者の加害行為が被用者の職務権限内で適法に行われたものでないこと及び加害行為時に被害者がそのことを知っていたか,知らないことに過失があったことを証明すれば,責任を免れる。
4. 被用者の加害行為に先立って使用者から代理監督者に監督権限が授与されたことを被害者が証明した場合であっても,代理監督者は,被用者の選任及び監督について相当の注意をしたことを証明すれば,責任を免れる。
5. 責任を負った使用者又は代理監督者は,被用者に対して求償し得るが,被用者がこの求償権を信義則上制限すべきことを基礎付ける事実を証明すれば,この求償権は制限される。
「平成18年 短答式試験 民事系科目」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/000006518.pdf)をもとに作成