司法試験短答式試験過去問題一問一答

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令和6年 刑法

第6問 (配点: 3) 備考: 順不同(部分点なし)


次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合、正しいものを2個選びなさい。

1.甲は、同居している友人Aと一緒に旅行費用として現金を積み立て、同現金を自宅の金庫に入れてAと共に保管していたが、Aに無断で同現金を全て取り出し、自己の借金の返済に充てた。この場合、甲に上記現金の占有が認められるから、甲にはAに対する横領罪が成立する。

2.甲は、配偶者Aから、その友人であるB所有の刀剣の保管を委託され、同刀剣を保管していたが、A及びBに無断で、同刀剣をCに売却した。この場合、甲には委託者であるAに対する横領罪が成立するが、甲はAの配偶者であるから、刑が免除される。

3.A社の代表取締役である甲は、A社が有する債権をB組合に譲渡したが、同債権の債務者Cに対する債権譲渡の通知をする前に、Cから債務の弁済として現金を受領し、同現金をB組合に無断で自己のために費消した。この場合、上記通知がされていないから、甲にはB組合に対する横領罪は成立しない。

4.甲は、自己が所有する土地について、Aを権利者とする抵当権を設定したが、その旨の登記が完了する前に、同土地について、Aに無断で、Bを権利者とする抵当権を設定し、その旨の登記をした。この場合、甲は、抵当権設定登記を完了するまでは、抵当権者の登記手続に協力する任務を有するから、甲にはAに対する背任罪が成立する。

5.A村の村長である甲は、A村に住む給与所得者の利益を図る目的で、同給与所得者に対する村民税の徴収につき、A村の条例に何ら規定がなく法令上の根拠がないのに、同給与所得者の収入金額に対し一律に過少に税額を算定して徴収した。この場合、上記給与所得者の利益を図る目的であったとしても、甲にはA村に対する背任罪が成立する。

「令和6年 短答式試験 刑法」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/001421189.pdf)をもとに作成

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