司法試験短答式試験過去問題一問一答

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令和5年 刑法

第3問 (配点: 3) 備考: 順不同(部分点なし)


次の【判旨】に関する後記1から5までの各【記述】のうち、誤っているものを2個選びなさい。

【判旨】

共謀共同正犯が成立するには、二人以上の者が、特定の犯罪を行うため、共同意思の下に一体となって互いに他人の行為を利用し、各自の意思を実行に移すことを内容とする謀議をなし、よって犯罪を実行した事実が認められなければならない。したがって、このような関係において共謀に参加した事実が認められる以上、直接実行行為に関与しない者でも、他人の行為をいわば自己の手段として犯罪を行ったという意味において、その間刑責の成立に差異を生ずると解すべき理由はない。さればこの関係において実行行為に直接関与したかどうか、その分担又は役割のいかんは、共犯の刑責自体の成立を左右するものではないと解する。

【記述】

1.【判旨】を前提にすると、殺意を有する者と傷害の故意にとどまる者との間で共謀共同正犯が成立する余地はない。

2.【判旨】は、共同正犯の成立には、実行行為の一部を分担することは必要ないとの立場に立っている。

3.【判旨】は、共謀共同正犯の成立には、単に関与者の内心における意思の合致があるだけでは十分でなく、客観的な謀議行為が必要であるとする考えと矛盾しない。

4.【判旨】に対しては、共同正犯を教唆及び幇助と区別することが困難になるとの批判がある。

5.【判旨】を前提にすると、共謀共同正犯の成立には、実行行為を行わない者が実行行為者に対して指揮命令をすることが必要である。

「令和5年 短答式試験 刑法」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/001400112.pdf)をもとに作成

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