司法試験短答式試験過去問題一問一答

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令和4年 刑法

第13問 (配点: 2)


次のアからオまでの各記述を判例の立場に従って検討した場合、誤っているものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。

ア.甲は、Aから金銭を借り入れるに際し、借入金を返済する意思も能力もないのに、知人Bに対し、「借入金は必ず自分で返済する。Bには迷惑をかけないので、保証人になってほしい。」とうそを言い、その旨Bを誤信させ、Aに差し入れる予定の甲を借主とする金銭消費貸借契約書を閲読させ、その保証人欄に署名押印させた。この場合、甲には、有印私文書偽造罪が成立する。

イ.甲は、窃取したA名義のクレジットカードの番号等を冒用し、インターネット上の決済手段として使用できる電子マネーを不正入手しようと考え、Aの氏名、同番号等の情報をインターネットを介してクレジットカード決済代行業者のコンピュータに送信し、Aが上記電子マネー10万円分を購入した旨の電磁的記録を作出し、これによってインターネット上で同電子マネーを利用することを可能とした。この場合、甲には、支払用カード電磁的記録不正作出罪が成立する。

ウ.県立高校を中途退学した甲は、母親Aに見せて安心させる目的で、偽造された同高校校長B名義の甲の卒業証書を真正なものとしてAに提示した。この場合、甲には、偽造有印公文書行使罪が成立する。

エ.指名手配され逃走中の甲は、本名を隠してA会社に正社員として就職しようと考え、同社に提出する目的で、履歴書用紙の氏名欄にBという架空の氏名を記載し、その横にBの姓を刻した印鑑を押印した上、真実と異なる生年月日、住所及び経歴を記載して履歴書を作成したが、その顔写真欄には甲自身の顔写真を貼付していた。この場合、甲には、有印私文書偽造罪が成立する。

オ.甲は、Aから金銭を借り入れるに際し、数日前にBが死亡したことを知りながら、Aに差し入れる予定の金銭消費貸借契約書の借受人欄に、Bの氏名を冒用して署名押印し、一般人をしてBが生存中に作成したと誤信させるおそれが十分に認められる文書を作成した。この場合、甲には、有印私文書偽造罪が成立する。

1.ア イ
2.ア オ
3.イ ウ
4.ウ エ
5.エ オ

「令和4年 短答式試験 刑法」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/001371988.pdf)をもとに作成

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