司法試験短答式試験過去問題一問一答

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令和4年 刑法

第1問 (配点: 3) 備考: 順不同(部分点なし)


次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合、誤っているものを2個選びなさい。

1.甲は、麻薬であるヘロインの粉末を覚醒剤と誤信して営利目的で輸入した。ヘロインの営利目的輸入罪と覚醒剤の営利目的輸入罪の法定刑は同一であった。この場合、甲には、覚醒剤の営利目的輸入罪が成立する。

2.暴力団組員甲は、配下の組員乙に対し、抗争状態にある暴力団組員Aとの間でもめごとが起きた場合にはAを殺害してよいが、実際にAを殺害するかは乙の判断に任せる旨伝えて拳銃を渡し、乙も了承したところ、乙は、Aともめたことから、殺意をもってAを射殺した。甲が乙とAの間でもめごとが起きることがあり得ると認識していた場合、甲には、殺人罪の故意が認められる。

3.甲は、殺意をもってAに向けて拳銃を発射したところ、その弾丸がAを貫通し、その背後にいて甲がその存在を認識していなかったBにも命中し、その結果、Aが死亡し、Bが重傷を負った。この場合、甲には、Aに対する殺人罪が成立するが、Bに対する殺人未遂罪は成立しない。

4.甲は、乙にAへの暴行を教唆し、乙もその旨決意し、Aに暴行を加えて死亡させたが、甲は同教唆の時点でAが死亡する可能性を予見していなかった。この場合、甲には、傷害致死罪の教唆犯が成立する。

5.甲は、殺意をもってAの首を絞めたところ、Aが動かなくなったので、Aが死亡したものと誤信し、犯行の発覚を防ぐ目的で、Aを砂浜に運んで放置し、その結果、Aが砂を吸引して窒息死した。この場合、甲には、殺人罪が成立する。

「令和4年 短答式試験 刑法」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/001371988.pdf)をもとに作成

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