次のアからオまでの各記述を判例の立場に従って検討し,正しい場合には1を,誤っている場合には2を選びなさい。
イ.甲は,Vと2人きりのホテル客室で,その同意の下,Vに対し,覚醒剤を注射したところ,Vが体調の異変を訴え,錯乱状態に陥ったため,救急医療を要請する必要があることを認識し,その要請をしていれば,Vの救命は確実であったにもかかわらず,その要請をすることなく,Vを放置したまま同室から立ち去り,その結果,Vが死亡したが,甲に殺意はなかった。この場合,甲がVを放置した行為とVの死亡との間の因果関係に欠けることはなく,甲には,保護責任者遺棄等致死罪が成立する。
「令和3年 短答式試験 刑法」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/001350704.pdf)をもとに作成