司法試験短答式試験過去問題一問一答

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令和2年 憲法

第19問 (配点: 3) 備考: 2問正解で部分点1点


次の対話は,憲法改正に関する教授と学生の対話である。教授の各質問に対する次のアからウまでの学生の各回答について,それぞれ正しい場合には1を,誤っている場合には2を選びなさい。

教授.憲法第96条第1項は,「この憲法の改正は,各議院の総議員の3分の2以上の賛成で,国会が,これを発議し,国民に提案してその承認を経なければならない。」と規定しているが,この「総議員」の意味には争いがあって,①法定議員数と解する説と,②現に各議院に在職する議員数の総数とする説があるね。②説の根拠として考えられるものは何かな。

ア.定足数が一定になり「総議員」の数を巡る争いを避けられること,憲法改正の発議要件を厳格にして議決を慎重にさせるのが憲法の趣旨に合致することなどがあります。

教授.それから,改正案を国会に提案する権限を内閣が有するか否かについても,肯定説と否定説とが対立しているね。肯定説に対しては,否定説の立場から,内閣の発案権を認めると国会の自主的審議権が害されるとの批判がされているが,この批判に対する肯定説の立場からの反論として,どのようなものが考えられるだろうか。

イ.内閣に発案権を認めたとしても,各議院は内閣の改正案に対する修正権を持つので,国会の自主的審議権を害するおそれはないとの反論が可能だと思います。

教授.憲法改正は,改正案が国民に提案され,国民投票が行われ,その過半数の賛成で承認されるのでなければ成立しないね。「過半数」の意味については,①有権者総数の過半数か,②無効投票を含めた投票総数の過半数か,③有効投票総数の過半数か,を巡り議論があるところだが,①説に対する批判として考えられるものを挙げてみよう。

ウ.①説に対しては,棄権者が全て改正案に反対の意思と評価されてしまう点で妥当ではないとの批判が考えられます。

 

「令和2年 短答式試験 憲法」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/001326053.pdf)をもとに作成

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