AB間においてAの所有する中古の時計甲の売買契約が締結された場合について述べた次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.売買契約において,Aが甲を引き渡した日から1か月後にBが代金を支払うことが定められていた場合であっても,A及びBの債務の履行後に第三者Cの詐欺を理由として契約が取り消されたときの双方の原状回復義務は,同時履行の関係に立つ。
イ.売買契約の締結時に甲がDの住所に存在していたときであっても,引渡しをすべき場所について別段の意思表示がない限り,甲の引渡場所はBの現在の住所である。
ウ.Bが,Eとの間で,売買契約における買主たる地位をEに譲渡する旨の合意をした場合,Aの承諾の有無にかかわらず,買主たる地位はEに移転する。
エ.売買契約において契約の締結時には出生していなかったFに甲の所有権を取得させることが定められた場合,売買契約は無効である。
オ.売買契約において第三者Gに甲の所有権を取得させることが定められ,Gの受益の意思表示がされた後,Aが甲の引渡しを遅滞した場合,Bは,Gの承諾を得なければ,売買契約を解除することができない。
1.ア イ
2.ア オ
3.イ エ
4.ウ エ
5.ウ オ
「令和2年 短答式試験 民法」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/001326054.pdf)をもとに作成