司法試験短答式試験過去問題一問一答

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平成30年 刑法

第10問 (配点: 3) 備考: 順不同(部分点なし)


強盗致傷罪に関する次の各【見解】AないしDに従って後記各【事例】ⅠないしⅢにおける甲の罪責を検討し,後記1から5までの各【記述】のうち,正しいものを2個選びなさい。

【見解】

A.致傷結果は,強盗の機会に行われた行為から発生すれば足りる。

B.致傷結果は,強盗の手段である暴行から発生する必要がある。

C.致傷結果は,強盗の手段である暴行のほか,強盗の機会に行われた行為のうち,強盗行為とその性質上密接な関連性を有する行為から発生する必要がある。

D.致傷結果は,強盗の手段である暴行のほか,強盗の機会に刑法第238条所定の目的で行う暴行から発生する必要がある。

【事例】

Ⅰ.甲は,自らの強盗の犯行を乙に目撃されたところ,犯行の翌日,犯行現場から約10キロメートル離れた路上において,たまたま乙に発見され,乙に捕まらないようにするため,乙の顔面を拳骨で多数回殴打し,乙に傷害を負わせた。

Ⅱ.甲は,乙から金品を強取することを丙と計画し,丙と共に乙方に侵入して乙から金品を強取したが,その直後,乙方において,丙に対する日頃の不満を解消するためだけに,丙の顔面を拳骨で多数回殴打し,丙に傷害を負わせた。

Ⅲ.甲は,乙から金品を強取することを計画し,乙方に侵入して乙に包丁を突き付けて金品を要求したが,これに乙が応じなかったため,金品強取を諦めて逃走しようとしたところ,乙から金品を強取できなかった腹いせに,乙とは別の部屋で寝ていた1歳の丙の腹部を多数回蹴り付け,丙に傷害を負わせた。

【記述】

1.Aの見解によれば,事例ⅠからⅢのいずれでも強盗致傷罪が成立する。

2.Bの見解によれば,事例ⅠからⅢのいずれでも強盗致傷罪が成立しない。

3.Cの見解によれば,事例Ⅱでは強盗致傷罪が成立しない。

4.Dの見解によれば,事例Ⅰでは強盗致傷罪が成立する。

5.Dの見解によれば,事例Ⅲでは強盗致傷罪が成立する。

「平成30年 短答式試験 刑法」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/001258878.pdf)をもとに作成

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