司法試験短答式試験過去問題一問一答

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平成30年 刑法

第8問 (配点: 2)


次のアからオまでの各記述における甲の罪責について判例の立場に従って検討した場合,正しいものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。

ア.甲が,自然湖の一部に設けられた乙のいけすから逃げ出した乙所有の錦鯉30匹を,同湖内の同いけすから離れた場所で発見し,乙が所有する錦鯉であると認識しながら,これらを自己のものにしようと考えて捕獲した場合,窃盗罪が成立する。

イ.甲は,パチスロ機に針金を差し込んで誤作動させてメダルを窃取することを乙と共謀し,乙による窃盗の犯行を周囲から見えにくくするため,乙の隣のパチスロ機で通常の遊戯を行い,それによりメダルを取得した。この場合,甲自身が遊戯したパチスロ機で取得したメダルについても窃盗罪が成立する。

ウ.甲が,乙から封かんされた現金20万円入りの封筒を渡されてそれを丙に届けるように依頼されたが,丙方に向かう途中で封筒内の現金が欲しくなり,封を開いて封筒に入っていた現金のうち5万円を取り出してこれを自己のものとし,残りの現金が入った封筒を丙に交付した場合,取り出した5万円について窃盗罪が成立する。

エ.甲は,乙から,乙が海中に落とした腕時計の引き揚げを依頼され,その腕時計が落ちた場所の大体の位置を指示された。甲が,乙から指示された海中付近を探索した結果,同腕時計を発見したが,それを乙に知らせることなく,同腕時計を引き揚げて自己のものとした場合,窃盗罪が成立する。

オ.甲が,満員電車に乗っていた際,隣の席に座っていた見ず知らずの乙が財布を座席に置き忘れたままX駅で下車したのを目撃し,乙の財布とその中身を自己のものにしようと考え,次のY駅に到着した時点で乙の財布を取得した上,同駅で下車し自宅に持ち帰った場合,窃盗罪が成立する。

1.ア イ
2.ア オ
3.イ エ
4.ウ エ
5.ウ オ

「平成30年 短答式試験 刑法」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/001258878.pdf)をもとに作成

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