司法試験短答式試験過去問題一問一答

利用規約プライバシーポリシーご意見・お問い合わせランダム一問一答

平成27年 刑法

第20問 (配点: 4) 備考: 4問正解で部分点2点


次の【事例】に関する後記アからオまでの各【記述】を判例の立場に従って検討し,正しい場合には1を,誤っている場合には2を選びなさい。

【事例】

借金の返済に苦しんでいた甲とその内縁の妻乙は,A市が発行した乙を被保険者とする国民健康保険被保険者証の氏名を乙から実在しない丙に改変し,丙になりすまして消費者金融会社から借入れをして現金を手に入れることを相談した。甲と相談したとおり,乙は,上記国民健康保険被保険者証の被保険者氏名欄に乙とあるのを丙と書き換えた。そして,乙は,消費者金融会社の無人借入手続コーナーにおいて,借入申込書に丙の氏名を記載し,丙と刻した印鑑を押捺するなどして丙名義の借入申込書1通を完成させた上,同申込書及び氏名を丙に改変した上記国民健康保険被保険者証の内容を,同コーナーに設置された機械を使用し,同機械に接続されている同社本店の端末機に送信し,同社の貸付手続担当者に対し,丙であるかのように装って100万円の借入れを申し込んだ。同担当者は,当該申込みをした者が真実丙であり,かつ,貸付金は約定のとおりに返済されるものと誤信し,同社の貸付システムに従って丙名義の借入カードを上記コーナーに設置された機械から発券した。乙は,その場で同カードを入手し,同カードを現金自動入出機に挿入して同機から現金100万円を引き出した。その後,乙は,上記行為に及んだことを後悔し,自宅で,甲に一緒に自首をしようと持ち掛けた。甲は,これを聞いて激高し,乙を窒息死させようと考え,その首を絞めたところ,乙は首を絞められたことによるショックで心不全になり死亡した。甲は,乙の死亡から約30分後,死亡して横たわっている乙の指に時価20万円相当の乙の指輪がはめてあることに気が付き,同指輪を奪って逃走した。

【記述】

ウ.甲と乙は,当初から現金100万円を手に入れる目的で丙名義の借入カードを入手し,同カードを利用して現金100万円を引き出したのだから,甲と乙には現金100万円について詐欺罪が成立する。

「平成27年 短答式試験 刑法」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/001144533.pdf)をもとに作成

平成27年 刑法 第20問 (配点: 4) 備考: 4問正解で部分点2点 | 司法試験短答式試験過去問題一問一答
このエントリーをはてなブックマークに追加
32 / 34