司法試験短答式試験過去問題一問一答

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平成25年 公法系科目

第26問 (配点: 2)


行政裁量に関する次のアからウまでの各記述について,正しいものに○,誤っているものに×を付した場合の組合せを,後記1から8までの中から選びなさい。

ア.外国人の在留期間の更新の許可に関する法務大臣の「在留期間の更新を適当と認めるに足りる相当の理由」があるかどうかの判断に関し,「法務大臣の裁量権の性質にかんがみ,その判断が全く事実の基礎を欠き又は社会通念上著しく妥当性を欠くことが明らかである場合に限り,裁量権の範囲をこえ又はその濫用があったものとして違法となる」とした最高裁判所の判決は,効果裁量を承認する趣旨であると解されている。

(参照条文)出入国管理及び難民認定法
第21条 本邦に在留する外国人は,現に有する在留資格を変更することなく,在留期間の更新を受けることができる。
2 前項の規定により在留期間の更新を受けようとする外国人は,法務省令で定める手続により,法務大臣に対し在留期間の更新を申請しなければならない。
3 前項の規定による申請があつた場合には,法務大臣は,当該外国人が提出した文書により在留期間の更新を適当と認めるに足りる相当の理由があるときに限り,これを許可することができる。
4 (略)

 

イ.学校施設の目的外使用許可に関し,「本件中学校及びその周辺の学校や地域に混乱を招き,児童生徒に教育上悪影響を与え,学校教育に支障を来すことが予想されるとの理由で行われた本件不許可処分は,重視すべきでない考慮要素を重視するなど,考慮した事項に対する評価が明らかに合理性を欠いており,他方,当然考慮すべき事項を十分考慮しておらず,その結果,社会通念に照らし著しく妥当性を欠いたものということができる」とした最高裁判所の判決は,学校施設の目的外使用許可の判断が管理者の裁量に委ねられることを前提として,裁量処分をする際の考慮事項に着目した司法審査の在り方を示したものといえる。

ウ.公務員の懲戒処分に関し,裁判所が当該処分の適否を審査するに当たっては,「懲戒権者の裁量権の行使に基づく処分が社会観念上著しく妥当を欠き,裁量権を濫用したと認められる場合に限り違法であると判断すべきものである」とした最高裁判所の判決は,裁判所が行政庁と同一の立場に立ってした判断と行政庁がした判断との間に食い違いがあれば行政庁の判断を違法と判定する方法を採ったものといえる。

1.ア○ イ○ ウ○
2.ア○ イ○ ウ×
3.ア○ イ× ウ○
4.ア○ イ× ウ×
5.ア× イ○ ウ○
6.ア× イ○ ウ×
7.ア× イ× ウ○
8.ア× イ× ウ×

「平成25年 短答式試験 公法系科目」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/000111054.pdf)をもとに作成

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