司法試験短答式試験過去問題一問一答

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平成25年 刑事系科目

第20問 (配点: 2) 備考: 順不同(部分点なし)


次の【事例】における甲の罪責に関する後記1から5までの各【記述】を判例の立場に従って検討し,正しいものを2個選びなさい。

【事例】

甲は,深夜,帰宅しようと歩いていたところ,道端に見ず知らずのAが重傷を負って倒れているのを見付けた。甲は,周囲にA以外の誰もおらず,Aには意識があるものの,動ける状態ではなかったことから,これに乗じて,Aの傍らに落ちていたAのかばんの中から金品を持ち去って自分のものにしようと考え,Aに対し,「もらっていくよ。」と言って,同かばんからAの財布を取り出して自分のかばんの中に入れた上,Aを救護することなくそのまま放置してその場を立ち去った。甲は,自宅に戻り,Aの財布の中を見たところ,現金約1万円のほか,①大きさや重さは五百円硬貨と同じであるものの,中央に穴が開けられ,模様もない円形の金属片10枚,②クレジットカードと同じ大きさであるものの,外観上何ら印刷が施されておらず,4桁の数字が手書きで書かれ,磁気ストライプらしき黒いテープが貼られているプラスチック製の白色カード1枚を見付けた。甲は,①の金属片はAが自動販売機等で商品を購入する際などに使うつもりで持っていたものだろうと考え,同金属片10枚を1本100円の缶ジュースの自動販売機に順次投入して購入ボタンを押し,出てきたジュース10本と釣銭合計4000円を自分のものにした。また,②の白色カードは,他人のクレジットカードの磁気情報をコピーして不正に作成されたカードであったが,甲は,そのことを認識した上,同カードに書かれた4桁の数字がその暗証番号に違いないと考え,後日同カードを現金自動預払機に挿入して現金を引き出すつもりで,同カードを自宅に保管しておいた。

【記述】

1.甲が上記重傷を負ったAを放置して立ち去った行為には,単純遺棄罪が成立する。

2.甲が上記Aの財布を自分のかばんに入れて持ち去った行為には,窃盗罪が成立する。

3.甲が上記金属片を自動販売機に投入した行為には,偽造通貨行使罪が成立する。

4.甲が上記金属片を自動販売機に投入してジュースと釣銭を得た行為には,電子計算機使用詐欺罪が成立する。

5.甲が上記白色カードを自宅に保管しておいた行為には,不正電磁的記録カード所持罪が成立する。

「平成25年 短答式試験 刑事系科目」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/000111056.pdf)をもとに作成

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