控訴に関する次の1から5までの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを2個選びなさい。
1.被告が第一審で請求棄却を求めた場合において,訴えを却下する判決が言い渡されたときは,被告には控訴の利益が認められない。
2.第一審判決が予備的相殺の抗弁を認めて原告の請求を棄却したのに対し,原告が控訴し,被告が控訴も附帯控訴もしない場合において,控訴裁判所が原告の請求債権はそもそも存在しないと判断するときは,控訴裁判所は,第一審判決を維持し,控訴を棄却しなければならない。
3.裁判所は,控訴審の第一回口頭弁論期日において初めて提出された攻撃又は防御の方法を,時機に後れたものとして却下することはできない。
4.一部請求であることを明示した訴えにおいて全部勝訴した原告は,被告が控訴をしたときは,附帯控訴により残部について請求を拡張することができる。
5.控訴審が原判決を取り消し,事件を原審に差し戻す判決をした場合には,それにより事件が原裁判所に移審するため,当該差戻判決に対して上告をすることはできない。
「平成25年 短答式試験 民事系科目」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/000111055.pdf)をもとに作成