小売商Aと卸売商Bは,Aを買主とし,Bを売主とする衣料品の売買契約(以下「本件売買契約」という。)を締結し,その売買代金債務(以下「本件原因債務」という。)の支払を目的として,Aは,Bを受取人とする確定日払の約束手形(以下「本件手形」という。)を振り出した。Bは,本件手形を誰にも譲渡していない。この取引におけるA・B間の法律関係に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.Bが,本件売買契約に基づく衣料品の納入に係る債務を履行しないまま,支払呈示期間内に本件手形の支払呈示をした場合でも,Aは,手形金の支払を拒むことはできない。
イ.判例によれば,本件手形の振出し後に本件原因債務が時効により消滅した場合には,Aは,これを抗弁として,Bに対し,手形金の支払を拒むことができる。
ウ.Bが支払呈示期間内に本件手形の支払呈示をすることを怠っても,BのAに対する本件手形上の権利は,消滅しない。
エ.火災によりBが本件手形を焼失した場合には,Bは,Aに対し,手形金の支払を求めることはできない。
オ.AとBが,本件手形の振出しの際,本件原因債務を消滅させ,本件手形上の権利だけを残すことを合意していた場合において,本件手形上の権利が時効により消滅したときは,Bは,Aに対し,利得償還請求権を取得しない。
1.ア ウ
2.ア オ
3.イ ウ
4.イ エ
5.エ オ
「平成25年 短答式試験 民事系科目」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/000111055.pdf)をもとに作成