陸上における物品の運送契約に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。なお,各記述に係る事項について運送契約上別段の定めはなく,また,運送契約に関して貨物引換証は発行されていないものとする。
ア.運送品の滅失,毀損又は延着の場合における運送契約の債務不履行に基づく運送人の損害賠償責任の消滅時効期間は,運送人に悪意があるときを除き,1年である。
イ.高価品について運送契約が締結される際に,高価品の種類及び価額の明告がされなかった場合には,運送契約の債務不履行による損害賠償の額は,運送品が高価品でなかったとしたときに生ずるであろう損害の額が上限となる。
ウ.運送人に対して運送契約によって生ずる権利を有するのは荷送人であって,荷受人が運送契約によって生ずる権利を取得することはない。
エ.判例によれば,運送人の故意又は過失により運送品が滅失し,荷送人に損害が生じた場合には,荷送人は,運送人に対し,運送契約に基づく債務不履行責任のみを追及することができ,不法行為責任を追及することはできない。
オ.運送人の過失(重大な過失を除く。)によって運送品の全部が滅失した場合には,運送契約の債務不履行による損害賠償の額は,運送品の引渡しがあるべき日における到達地での運送品の価格によって定まる。
1.ア イ
2.ア オ
3.イ ウ
4.ウ エ
5.エ オ
「平成25年 短答式試験 民事系科目」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/000111055.pdf)をもとに作成