次の各記述のうち公序良俗に違反することを根拠とするものは,後記1から4までのうちどれか。
1.土地の売買契約により,買主が所有権を取得し,その引渡しを受けた後に,売主がその土地に第三者のため地上権の設定登記をした場合には,売主が買主に対して残代金の支払を催告し,その不払を理由に売買契約を解除する旨の意思表示をしても,解除の効力は生じない。
2.食品の製造業者Aが,有害性物質甲の混入した食品の販売を法令が禁止していることを知りながら,あえて甲の混入した食品を製造し,これをその混入の事実を知る販売者Bに継続的に売り渡す契約を締結した場合,この売買契約は無効であるから,BはAに対してその代金支払の義務を負わない。
3.消費貸借契約の貸主が積極的に借主の誤信を招くような対応をしたため,借主が期限の利益を喪失していないものと信じて各期の支払を継続し,貸主も借主が誤信していることを知りながらその誤信を解くことなく弁済金を受領し続けたという事情がある場合,貸主は,借主に対し,期限の利益を喪失した旨の主張をすることはできない。
4.不動産の共同相続人の一人が,単独相続の登記をして,これに抵当権を設定し,その設定登記をしながら,自己の持分を超える部分の抵当権の無効を主張して,その抹消登記手続を請求することはできない。
「平成25年 短答式試験 民事系科目」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/000111055.pdf)をもとに作成