司法試験短答式試験過去問題一問一答

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平成24年 刑事系科目

第17問 (配点: 3) 備考: 順不同(部分点なし)


放火罪に関する次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討し,正しいものを2個選びなさい。

1.甲は,日頃恨みを持っていたVの所有する自動車が止めてある駐車場に出向き,同車にガソリンをかけて火をつけ,同車を焼損させたところ,同駐車場に駐車されていた第三者が所有する自動車10台に延焼する危険が生じたものの,駐車場が住宅地から離れていたため,住宅その他の建物に延焼する危険は生じなかった。甲には建造物等以外放火既遂罪は成立しない。

2.甲は,周囲に他の住宅のない場所に空家を所有する乙から,同家屋に付された火災保険金をだまし取る計画を持ちかけられ,これに応じることとし,同家屋に立て掛けてあった薪に灯油をかけて火をつけたところ,火は同家屋の取り外し可能な雨戸に燃え移ったが,たまたま降り出した激しい雨によって鎮火した。甲には他人所有非現住建造物等放火未遂罪が成立するにとどまる。

3.甲は,深夜,本殿・祭具庫・社務所・守衛詰所が木造の回廊で接続され,一部に火を放てば他の部分に延焼する可能性がある構造の神社の祭具庫壁付近にガソリンをまいてこれに火をつけた。その結果,無人の祭具庫は全焼したものの,Vらが現在する社務所・守衛詰所には,火は燃え移らなかった。甲には現住建造物等放火既遂罪が成立する。

4.甲は,日頃恨みを持っていたVが居住するマンション内部に設置されたエレベーターのかご内に,ガソリンを染み込ませて点火した新聞紙を投げ入れて放火し,エレベーターのかごの内部を焼損させた。甲には現住建造物等放火未遂罪が成立するにとどまる。

5.甲は,妻所有の一戸建て木造家屋に妻と二人で暮らしていたところ,ある日,同家屋内において,口論の末に激高して妻を殺害し,その直後に犯跡を隠すため,同家屋に火をつけて全焼させたが,周囲の住宅には燃え移らなかった。甲には現住建造物等放火既遂罪が成立する。

「平成24年 短答式試験 刑事系科目」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/000098334.pdf)をもとに作成

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