司法試験短答式試験過去問題一問一答

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平成24年 刑事系科目

第16問 (配点: 3) 備考: 3問正解で部分点2点


次の【事例】及び【判旨】に関する後記アからエまでの各【記述】を検討し,正しい場合には1を,誤っている場合には2を選びなさい。

【事例】

甲は,友人乙及び丙女と深夜歩道上で雑談していたところ,通り掛かったVから因縁を付けられ,Vが丙女の髪をつかんで引きずるなどの暴行を加えたため,乙と共に,丙女への暴行をやめさせるためにVの顔面を殴るなどした(以下,甲と乙が共にVの顔面を殴るなどした行為を「第1行為」という。)。Vは,一旦丙女への暴行をやめたものの,その後も甲らに悪態をついたため,更に乙においてVの顔面を殴ったところ(以下,乙がVの顔面を殴った行為を「第2行為」という。),Vが転倒して重傷を負った。第2行為の際,甲はVに対し暴行を加えることも,乙の行為を制止することもなかった。

【判旨】

相手方の侵害に対し,複数人が共同して防衛行為としての暴行に及び,相手からの侵害が終了した後に,なおも一部の者が暴行を続けた場合において,侵害現在時における暴行が正当防衛と認められる場合には,侵害終了後の暴行については,侵害現在時における防衛行為としての暴行の共同意思から離脱したかではなく,新たに共謀が成立したかどうかを検討すべきであり,共謀の成立が認められるときに初めて侵害現在時及び侵害終了後の一連の行為を全体として考察し,防衛行為の相当性を検討すべきであるところ,甲に関しては,第1行為については正当防衛が成立し,第2行為については乙との間に新たに共謀が成立したとは認められないのであるから,第1行為と第2行為とを一連一体のものとして総合評価する余地はない。

【記述】

ウ.共同正犯について「構成要件に該当する違法な行為を共謀することによって成立する」と考える見解に立つと,この事例における甲の罪責について,この判旨と結論において一致することはない。

「平成24年 短答式試験 刑事系科目」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/000098334.pdf)をもとに作成

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