信用毀損罪又は名誉毀損罪に関する次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討し,正しいものを2個選びなさい。
1.甲は,スーパーマーケットVに嫌がらせをする目的で,誰でも閲覧できるインターネット上の掲示板に「Vで買ったオレンジジュースに異物が混入していた。」旨の嘘の書き込みをした。甲には信用毀損罪は成立しない。
2.教授甲は,数百人が出席している講演会で,日頃意見の対立するV教授がX県出身であったことから,誰のことを言っているかは分からないようにしつつ,「X県人は頭が悪い。」と述べた。甲には名誉毀損罪が成立する。
3.甲は,以前交際していたV女が別の男性と婚約したことを知り,腹いせに,V女の両親に宛てて,「V女には他にも数人男がいる。V女の好色は目に余る。」などと嘘の事実を記載した手紙を匿名で郵送した。甲には名誉毀損罪は成立しない。
4.甲は,インターネット上の書き込みを信じ,特段の調査をすることなく,誰でも閲覧できるインターネット上の掲示板に「ラーメン店Vの経営母体は暴力団Xである。」旨の真実に反する書き込みをした。甲には名誉毀損罪は成立しない。
5.甲は,かつて甲をいじめたVが破産したことを知り,仕返しをするため,「Vは破産者である。」と書かれたビラを多数人に配布した。甲には信用毀損罪は成立しない。
「平成24年 短答式試験 刑事系科目」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/000098334.pdf)をもとに作成