訴えの利益に関する次のアからウまでの各記述について,最高裁判所の判例の趣旨に照らし,正しいものに○,誤っているものに×を付した場合の組合せを,後記1から8までの中から選びなさい。
ア.町営土地改良事業の施行認可処分の取消しを求める訴訟の係属中に,事業計画に係る工事及び換地処分がすべて完了したため,社会通念上事業施行以前の原状に回復することが不可能になったとしても,認可処分の取消しを求める訴えの利益は消滅しない。
イ.退去強制令書の送還部分が執行され,被処分者が強制送還されてしまえば,処分はその目的を達成し,被処分者の退去義務は消滅するが,退去を強制された者の本邦への上陸拒否期間が経過するまでは,退去強制令書発付処分の取消しを求める訴えの利益は消滅しない。
ウ.都市計画法第29条に基づく開発許可の取消しを求める訴訟の係属中に,許可を受けた開発行為に関する工事が完了し,検査済証が交付されたとしても,当該開発許可が判決で取り消された場合には,違法な開発行為であることが公権的に確定され,その拘束力により都道府県知事等は同法第81条に基づく違反是正命令を発すべき義務を負うことになるから,開発許可の取消しを求める訴えの利益は消滅しない。
1.ア○ イ○ ウ○
2.ア○ イ○ ウ×
3.ア○ イ× ウ○
4.ア○ イ× ウ×
5.ア× イ○ ウ○
6.ア× イ○ ウ×
7.ア× イ× ウ○
8.ア× イ× ウ×
「平成23年 短答式試験 公法系科目」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/000073969.pdf)をもとに作成