司法試験短答式試験過去問題一問一答

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平成23年 公法系科目

第26問 (配点: 3) 備考: 3問正解で部分点2点


次の文章は,A町と産業廃棄物処分業者(以下「処分業者」という。)であるYとが締結した公害防止協定(以下「本件協定」という。)に定められた,Yの産業廃棄物処理施設(以下「処理施設」という。)の使用期限を平成15年12月31日とする旨の条項(以下「本件期限条項」という。)に基づき,A町の地位を合併により承継したX市がYに対し,Yの処理施設の使用の差止めを求める訴えについて判断を示した最高裁判所平成21年7月10日第二小法廷判決の判示の一部である。後記アからエまでの各記述について,それぞれ同判決の考え方に適合する場合には1を,適合しない場合には2を選びなさい。

「規定(注1)は,知事が,処分業者としての適格性や処理施設の要件適合性を判断し,産業廃棄物の処分事業が廃棄物処理法の目的に沿うものとなるように適切に規制できるようにするために設けられたものであり,上記の知事の許可(注2)が,処分業者に対し,許可が効力を有する限り事業や処理施設の使用を継続すべき義務を課すものではないことは明らかである。そして,同法には,処分業者にそのような義務を課す条文は存せず,かえって,処分業者による事業の全部又は一部の廃止,処理施設の廃止については,知事に対する届出で足りる旨規定されているのであるから(中略),処分業者が,公害防止協定において,協定の相手方に対し,その事業や処理施設を将来廃止する旨を約束することは,処分業者自身の自由な判断で行えることであり,その結果,許可が効力を有する期間内に事業や処理施設が廃止されることがあったとしても,同法に何ら抵触するものではない。したがって,(中略)本件期限条項が(中略)廃棄物処理法の趣旨に反するということもできない。」
(注1)廃棄物の処理及び清掃に関する法律(以下「廃棄物処理法」という。)の諸規定を指す。
(注2)廃棄物処理法が定める産業廃棄物処理業の許可及び処理施設の設置許可を指す。

 

ア.市町村は,処分業者との間で公害防止協定を締結し,法律又は条例に根拠がなくても,協定の定めにより処分業者に対し,公害防止のための義務を課すことができる。

「平成23年 短答式試験 公法系科目」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/000073969.pdf)をもとに作成

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