次の【弁解録取書の記載内容】は,殺人を被疑事実とする逮捕状に基づいて司法警察員により逮捕された被疑者甲野太郎の事件に関し,H警察署司法警察員Xが,被疑者の弁解を聴取して作成した弁解録取書の記載内容の抜粋である。この弁解録取書に記載された①から⑤までの司法警察員Xの措置に関する後記アからオまでの【記述】のうち,正しいものは幾つあるか。後記1から6までのうちから選びなさい。
【弁解録取書の記載内容】
本籍,住居,職業,氏名,生年月日欄(省略)
本職は,平成23年2月3日午前10時10分ころ,H警察署において,上記の者に対し,①逮捕状記載の犯罪事実の要旨及び②弁護人を選任することができる旨を告げるとともに,
③1 引き続き勾留を請求された場合において貧困等の事由により自ら弁護人を選任することができないときは,裁判官に対して弁護人を請求できる旨
2 裁判官に対して弁護人の選任を請求するには資力申告書を提出しなければならない旨
3 その資力が基準額以上であるときは,あらかじめ,弁護士会に弁護人の選任の申出をしていなければならない旨
を教示し,さらに,弁護人又は弁護人となろうとする弁護士と接見したいことを申し出れば,直ちにその旨をこれらの者に連絡する旨を告げた上,④弁解の機会を与えたところ,任意次のとおり供述した。
1 私がVさんを殺したことは間違いありません。
2 弁護人をお願いできる権利があることは聞きました。お金がないので,国選でお願いします。
甲野太郎指印
以上のとおり⑤録取して読み聞かせた上,閲覧させたところ,誤りのないことを申し立て,各葉の欄外に指印した上,末尾に署名・指印した。
前同日
司法警察員署名押印欄(省略)
【記述】
ア.①につき,刑事訴訟法の規定上,司法警察員Xは,直ちに犯罪事実の要旨を告げるように求められている。
イ.②につき,刑事訴訟法の規定上,司法警察員Xは,弁護人を選任することができる旨を告げるように求められている。
ウ.③につき,刑事訴訟法の規定上,司法警察員Xは,③の1から3までの事項を教示するように求められていない。
エ.④につき,刑事訴訟法の規定上,司法警察員Xは,被疑者甲野太郎に,弁解の機会を与えるように求められていない。
オ.⑤につき,刑事訴訟法の規定上,司法警察員Xは,弁解録取書を作成して,これを読み聞かせた上で,閲覧させることが求められている。
1.0個
2.1個
3.2個
4.3個
5.4個
6.5個
「平成23年 短答式試験 刑事系科目」(法務省)(https://www.moj.go.jp/content/000073971.pdf)をもとに作成